多くの理系就活生は、研究職がどんな仕事なのか気になっていると思います。
今回は、研究職とはどんな仕事なのか詳しく説明していきます。
研究職の仕事内容
研究職の仕事内容を一言でいえば、「新しいモノや技術を創造して、社会の要求を満たす」ことです。
ちょっと硬い言葉なので、分かりやすく説明していきますね。
「新しいモノや技術を創造する」とは「0から1を作る」とも言われています。
- 新しい物質や製品を作ること
- 新しい原理や方法を発見すること
を意味しています。
例えば、化学者の間でA+B→Cという反応が既に知られていたとします。
ある人は、これとは違うA+D→Eという反応で、新しくEという物質を作りました。
これが「新しい物質や製品を作る」ということです。(厳密には、新しいモノを作る際に新しい方法も生み出しているので、後者も含まれます)。
ある人は、BではなくB’という違う物質を使って、A+B’→Cという反応を発見しました。
同じCというモノを作っていますが、Cの生成量(収率)が増える方法を見つけました。
これが「新しい原理や方法を発見する」ということです。
「社会の要求を満たす」とは、私たちの生活を快適にすることを指します。
モノづくりを通して社会問題を解決したり、豊かな生活を提供したりすることです。
例えば、ある人が開発したEという物質で服を作ったとします。
これにより通気性や着心地がよくなり、私たちは快適に生活できるようになりました。確かに、社会の要求を満たしていますよね。
研究職は地味に思われがちですが、私たちの生活を支えるのに大きな役割を果たしています。
ここからは、研究職を深く知ってもらうために、一歩踏み込んで説明していきますね。
基礎研究と応用研究の違い
研究には、「基礎研究」と「応用研究」の2つに分類できます。
基礎研究は、「新しい物質・原理をつくる」ことに特化しています。実用化からはちょっと遠いですが、新しい知見を増やして研究の土台を作ります。
応用研究は「社会に貢献する」ことに特化しています。基礎研究で生み出した物質や原理などの研究成果から、実用化に向けた研究を行っています。
研究職におけるシーズ研究とニーズ研究の違い
シーズ研究とニーズ研究の違いについても理解しておきましょう。

・シーズ研究とは、まだ世に知られていない未知の物質・原理に関して研究することです。多くの種(シーズ)をまいて、将来、芽が出て社会貢献(特に新たな市場開拓)に繋げることを目指します。一般的に研究期間は3年以上と長いです。
・ニーズ研究とは、社会の要求(ニーズ)を満たすために必要なモノや技術を研究することです。目標が明確に定まっていて、それを果たすことを目指します。他社との競合や時代の変化に対応する必要があるため、一般的に研究期間は1~2年と短いです。
次に、研究職の位置づけについて見ていきましょう。
研究職の位置づけ
メーカーにおける各職種と、役割はこのようになっています。
職種 | 役割 |
研究職 | 0から1を作る |
---|---|
生産技術 | 1から100を作る |
営業・販売 | 100をお客様に届ける |
事務職 | 従業員をサポートする |
経理 | お金を管理する |
この表から、新しい製品を開発するには、まずは研究職が0から1を生み出さなければいけないことがわかりますよね。
「モノづくり」という視点において、研究職が重要な位置づけにあることがわかります。
次に、研究職と生産技術職の違いについて詳しく説明します。
研究職は、研究所で新しいモノを開発します。しかしそのモノは少量であり、工場で大量に作るための技術が必要になってきます。その役割を担うのが、生産技術職です。
生産技術職は、研究職が作ったモノを低コストで大量に、そして安定して作るために、プロセスや設備の設計を行います。
研究職と生産技術職が協働することではじめて、0→100というモノづくりが完了するのですね。
大学の研究との違い
企業の研究と大学の研究の違いを次の表に示します。
企業 | 大学 | |
目的 | 社会の要求を満たす | 新たな知見を得る(特許・論文) |
研究志向 | 主にニーズ | シーズ |
研究領域 | 基礎・応用 | 基礎 |
企業は社会の要求を満たすことが目的であり、ニーズ志向の研究がメインとなります。大手メーカーは、新たな市場拡大に向けてシーズ志向の研究にも取り組んでいます。
一方、大学や研究機関では、新たな知見を得て論文や特許として公表することを目的にしています。シーズ志向であり、基礎研究に注力しています。ただ企業と共同研究している研究室は、応用研究にも取り組んでいます。
さいごに
ここでは、研究職とはどんな仕事なのか、詳しく説明していきました。
「研究職って面白そうだけど、いいことばかりじゃないよね?」そう思った人は、研究職のメリット・デメリットを3つ紹介をご覧ください。

「研究職に興味出てきたけど、私は向ているのかな?」と思った人は、研究職はつらいのか?向いてる人の特徴3つご覧ください。

皆様が「研究職」について、少しでも詳しくなって頂けたら幸いです(*^^*)